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【第一回】道具を理解する② 運動学×物理学でわかりやすいレッスン

「わかりやすい!」「腑に落ちた!」とその指導に定評のあるゴルフトレーナー小澤康祐さんによる講座を動画と解説テキストでご紹介。

感覚的な指導ではなく、「どうしてそうなるのか?」「どうすれば改善できるのか?」など「なぜ?」を知りたい方は必見です!

第一回目は『道具を理解する』。ゴルフは道具を使ってするスポーツです。そのため、道具の特性をちゃんとわかって使用することで、より効果的なスイングが可能になります。

テキスト解説

前半の解説をご覧になっていない方はコチラ

(動画18:02~)振り始める前に、ヘッドが背中の方に隠れる、自分の後ろにヘッドが入るためには何が必要か?今度は慣性力というのを考えなければなりません。

バックスイングの始動でどこから動き出さなければいけないのか?がすごく大事です。ありがちなミスはバックスイングの始動を腕のローテーション(開く閉じる)の動きによって、ヘッドが背中の方に入ってしまう方がすごく多いです。

バックスイングの始動でどこから動き出さなければいけないのか?がすごく大事

円運動は一回始まってしまうと同じ方向に動きます。そのため、初動の軌道がとても大事になってきます。

初動の軌道がとても大事

インサイドに引いたバックスイングからだと、ヘッドは自分の後ではなく前に来てしまいます。

バックスイングの始動を外側に向けることで、正しい円運動を起こす

(動画19:24~)最近の欧米の選手、例えばリッキー・ファウラー選手が特に顕著な動きをするのですが、バックスイングでヘッドがインサイドではなくて、ほぼ真上だったりちょっとアウトサイドだったりほぼ真上くらいに上がってくる、つまり身体から離れる方向にバックスイングが上がります。

身体から離れる方向にバックスイングが上がります

そこからだと手の軸より、ヘッドが外側にある状態でバックスイングしていることになるので、円運動が背中の方にヘッドが入ってきます。

水平の円運動が正しく起きます

背中の方からヘッドが来てくれてる状態で切り返しに入っていけるので、上から見た時の水平の円運動が正しく起きます。そうするとフェースは前を向きやすくなります。

ですので始動でインサイドに引いてしまうのか、手の動きより外側を通ってくるのかによって、その後物理の力をつかってうまくスイングできるかが変わってきます。

このように始動がとても大事で、その理由は慣性の力があるからということが説明できるわけです。

そこを理解するとシャフトがクロスしてしまう原因も分かるし、クロスしたところから打ちにいってしまうと、クラブにかかる回転の方向逆になってしまうので手元が浮いてしまう、身体が浮いてしまう原因はこの辺に隠れてるんだなっていうのも分かってくるわけです。

各クラブによって異なる重心、重心角を意識しよう

(動画22:12~)最後にドライバーですが、クラブの重心角というものがあって重心の深さと重心がネックの部分からどのぐらいの距離、重心距離と呼ばれてますが、この重心距離と中心角の組み合わせによって、重心がどのぐらいフェースの角度からずれてるかというのがフェース角で重心角によってスイングが変わってきてしまいます。

フェース角で重心角によってスイングが変わってきてしまいます

重心角が一番ないのがロングアイアンです。逆に重心角が深いのがドライバーの初心者向けに作られている重心の深いドライバーだったり、後はウェッジだったりというのは重心角がかなり大きくてフェースから外れています。

唯一の例外、マレット型のパターはテコの原理でも振れる

(動画23:20~)番外編を言いますとマレット型のパターは重心角が90度です。持った時にフェースが完全に上に向くクラブです。この場合、テコを使って加速させるということが、使っていい許容範囲になります。

なぜかというと重心がネックのほぼ真後ろにあるクラブは、テコの原理で押しいてるときにこそ重心が後ろに取り残されようとします。

重心がネックのほぼ真後ろにあるクラブは、テコの原理で押しいてるときにこそ重心が後ろに取り残されようとします

取り残されてる段階の時にフェースが前を向いてくれるクラブ、重心がとても深くて重心角90度という、マレットタイプのパターというのはテコで押している時にこそフェイスが前を向くっていう構造になっています。

ただ、このマレットのパター以外は中心角90度はありえませんので、スイングはちゃんと水平面の円運動していかないと、ショットはうまくいかないということになります。

クラブ選びは、自分のスイングの傾向によって変わってくる

(動画25:12~)では、クラブ選びということになってきますが、テコの原理を使ってネックを走らせるスイングをしている方にとっては、重心が深いドライバーじゃないと確実にスライスだったり、チーピンが出やすい状況になります。

逆にしっかり水平面上の回転を使っての打ち方が出来ている方にとっては、重心が深くて重心角がありすぎると、頂点に来た時に重心が外に来ようとするのでかなりフェースがかぶった状態でインパクトする可能性が高いです。

そうなるとチーピンだったりフックのリスクがかなり高いクラブになってしまうで、しっかりインサイドに、ヘッドが背中の後ろにしっかり隠れた状態から打ちにいくスイングをする方にとっては重心深度があまりない重心の浅いクラブを選んでいく必要があります。

ユーティリティが苦手という人も、逆にロングアイアンが苦手という人もいると思いますが、ロングアインが苦手な方はテコ系のスイングをしている可能性が高いです。

逆にユーティリティが苦手という方は水平面上の円運動を使ったスイングでボールを捉えている可能性が高いです。

まとめ

(動画27:50~)テコを使ったスイングをするとフェースローテーション起きやすいということ。水平面上の動きをつくるために始動が大切で、ヘッド後ろに隠すという動きがとても大事です。

またアプローチなど小さいバックスイングからテコで押してしまうと、それがアプローチのシャンクの原因になってしまいます。

このような原理を今回お伝えましたかったので、クラブの構造を考えてスイングを作るというのはこういうことだというヒントになれば幸いです。

ozawa
小澤康祐

物理学から効率的な運動動作を考察し、運動に関する独自理論を構築。トレーナーという立場から、プロゴルファーにも動作や体作りについての指導を行っている。

<メディア出演>
NHK「あさイチ」、フジテレビ「とくダネ」、週刊ゴルフダイジェスト、月刊ゴルフダイジェスト

ゴルフスイング物理学

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